キタハラの獣害対策 Vol.3 防いで、獲る。
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誤解その5 電気さくは危険?平成21年に淡路島で、電気柵に感電した男性が死亡する、という痛ましい事故がありました。これは一部で「電気柵による死亡事故」とショッキングな見出しで報道されましたのでご記憶の方も多いでしょう。しかしこの事故をよくよく検証してみると、 電牧器を使わないで100V電源から直接ワイヤーに電気を流すという危険な「電気柵」によって起こったものだとわかりました。この冊子ではこれまで、「電気さく」という表現をあえて使ってきました。これは、法律上電気さくは様々な要件を満たしたものに限って使用可能というスタンスであり、法律上の表現が「電気さく」となっているため、要件を満たした電気柵という意味で、「電気さく」という言葉を使っているからです。そして、適法な電牧器を使用することは、電気さくの重要な要件となります。 これを使用せずに、100Vの電気を流すなどしたら、大変危険なものになります。淡路島の事故は端的には電牧器を使わなかっために起こった悲劇だったのです。この悲劇の背景には、おそらく「1万ボルトの電気さくが安全なのだから100Vは危険でない」 という誤解があったと思われます。しかし微弱な電流を、きわめて短い時間にパルス電流として流す電牧器と比較するべきではないのです。 そもそも生命にかかわるのは、電圧よりも電流の方が比較にならないほど大きな要素なのです。ちなみに冬によく静電気でバチッ!となることがありますが、あの静電気は2万ボルトにもなるそうです。あれで死んだという話は聞いたことがありません。 一方、体内を流れる電流の場合は、0.05Aでもかなり危険な電流量となり、0.1A もあれば死に至ります。 適切な電牧器を使用していれば、高電圧ですが非常に微弱な電流が瞬間的に流れるだけですので、そのような心配は全くないのです。 実際に電牧器を使った電気さくではそのような事故は起きていませんし、今後も起こらないでしょう。法律に従って、正しい「電気さく」を使う限り、電気さくは安全なものだと断言できます。次ページの「電気さくの安全基準について」をご一読ください。誤解その6 イノシシは夜行性だから、昼間は電気を切るこれは広く行われている使い方です。多くは、明るくなると自動的にスイッチが切れるセンサーによるものです。キタハラでも、センサー付きで夜間に、あるいは昼間にスイッチが切れるというシステムを採用している機種もあります。機械は、「○○ルクスの照度になったらスイッチが入る」といったように、まさに機械的に作動します。しかし相手は動物です。イノシシには何ルクスになったかどうかはわかりませんし、そもそもイノシシは、本来的に夜行性ではないのです!夜行性ではないにもかかわらず、人の目を避けて人の活動時間とずらして行動している結果として、畑に侵入するのは暗くなってからが多いというだけなのです。つまり、人の気配がない環境では、昼間でも畑を荒らすことはあるのです。実際に電牧器のセンサーが働き、明け方スイッチオフになった後にイノシシが畑に侵入してしまうことがあります。収穫直前にこのようなパターンで田畑を荒らされては、泣くに泣けません。電気さくは可能な限り、24時間通電すべきなのです。また、田畑に作物がない間に電気さくを撤収する場合はよいのですが、撤収せずに張りっぱなしで電気は流さない、というのもありがちな光景です。これは「誤解その1」 で述べたとおり、電気さくが動物に舐められるきっかけとなってしまいますので、 設置している限り通電すべきです。22

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