キタハラの獣害対策 Vol.3 防いで、獲る。
18/24

◆基本のき電気さくは獣害防除、または放牧等で広く使用されていますが、まず簡単にその仕組みを見てみましょう。電気さくは、100Vやバッテリーを電源とする電牧器が発生させるパルス電流を電牧線に流し、これに触れた動物にショックを与えて、田畑などへの侵入を防ぐものです。電圧は1万Vにも達しますが、法律で定められた「電気さく」を使用する限り、危険なものではありません。図のように電牧器のプラス端子は電牧線に接続されており、発生したパルス電流は電牧線に伝わります。一方マイナス端子はしっかりとアースします。(十分なアースは電気さくを効果的に使う最重要ポイント!)。そして、電牧線と地面(アース)が伝導体でつながると、この伝導体をスイッチとして「電牧器⇒電牧線⇒伝導体⇒地面⇒アース⇒電牧器」という回路がつながりますが、この時に伝導体が動物であれば、動物は強いショックを受け、以後電気さくに近寄らなくなるわけです。伝導体が草などであれば、これが電気さくで言う「漏電」という状況になり 、漏電が多ければ多いほど(草がつけばつくほど)電牧線と地面の電位差が小さくなり、電気さくの効果は薄れてしまいます。。漏電は電気さく最大の敵ですから、システム自体に漏電の原因を作らないことが重要です。そのためには、電牧線を支えるポールに絶縁性の高い物を使うか、碍子(ガイシ)を使って電牧線を流れる電流がポールに伝わらないようにしなければなりません。時々、木柱に直に電牧線を巻きつけているのを見かけますが、ごく特殊な木材を除いて漏電の原因になります。◆電気さくの効果「電気さくは心理柵」と言われることがあります。これは、電気さくは物理的には動物が超えることができる物であっても一度電気ショックを経験した動物にとっては「近寄りたくない」という心理的バリアを生じさせて侵入を防ぐことに本質があることを意味するものです。心理柵のメリットは、必ずしも物理的に侵入を許さない構造でなくてもよい、端的にいえば物理柵に比べ資材費を大幅に軽減できることにあります。ただその代償として、心理的効果を持続させるための保守管理が要求されるのです。また電気さくを使用するにあたり絶対に知っておいていただきたいのは、防除効果は100%とはいえない、ということです。心理的な効果は絶対的ではありませんし、物理的機能が弱いだけにハプニング的な侵入もあり得ます。 また管理が悪く心理的効果を発揮できないことも考えられます。とは言え、正しく設置された適切な電気さくを適正に管理すれば、そう簡単に動物の侵入を許すものではありません。物理的なフェンスよりもかなり安価な資材で、100パーセントに近い効果を上げることは十分に可能なのです。要はコストパフォーマンスの面で非常に優れた獣害対策と言えます。とすると、「正しく設置された適切な電気さくとは何か?」「適正な管理とは?」が問題になってきます。(⇒次頁へ)+端子 ‐端子 アース 電源 電牧器 漏電 電気ショック 電牧線 18

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です