未来のアグリ株式会社(旧北原電牧株式会社)    

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 イノシシを防ぐ
 

実は昼行性

 イノシシは夜行性の動物と思われがちですが、人間を警戒する必要がない場所では日中に活動しており、夜行性は人間の活動を警戒しての二次的な特徴のようです。人気のない畑の作物は、日中狙われても不思議ではない考えるべきです。

 
身体能力は…1.2mを飛び越え、70sの石を持ち上げる?
 イノシシの身体能力については、1.2mの柵を飛び越えるという有名な実験があります。しかし、これはイノシシの警戒を解いた上で、徐々に柵の高さを上げていった中で1.2mまでは飛び越えた、という実験であり、この結果をもって直ちにイノシシが畑に入るときに1.2mの柵を飛び越えるということを意味しません。なぜなら、
 @イノシシは安全な場所と認識していない慣れていない場所への侵入には非常に用心深くなるので、丁寧に警戒を解いて行った実験とは環境が決定的に違うこと
 Aジャンプには野生動物にとって致命的になる怪我のリスクがあるため、飛び越えることが可能でも「潜る」という行動をとることが多い、からです。
 

鼻の力がスゴイらしい
 またイノシシは鼻の力で70kgの石を優に持ち上げることができます。これは物理的に防除する場合に一つの目安となる数字になります。また、鼻を使って穴を掘るのも得意です。もっとも踏み固められた土は容易には掘り起こせない、とイノシシを飼育していた人の話しがあります(どの程度の土まで掘れるのか、宿題にさせていただきます)。これらの性質も防除を考えるにあたってはもちろん配慮されるべきです。 以上のようにイノシシにとって強力な武器である鼻ですが、濡れた鼻は電気を通しやすく、また不審物を鼻で確認する性質もあることから電気柵に対してはこの鼻が弱点になる、とも言えます。

 

偶蹄目の動物に弱点あり!
 イノシシはシカと並んで偶蹄目に属する動物です。地面の状態によっては、猿やクマ、あるいは人が通行するに何ら障害がなくても、蹄のある動物は本能的に、あるいは機能的に通ることができないことがあります。この性質は同じ偶蹄目のウシの牧場で、テキサスゲートと呼ばれる「ゲートなきゲート」として利用されており、防除にも応用できるものです。(→テキサスゲート

 
なかなか減らない
 イノシシの肉は食用として人気があるため狩猟も盛んですし、有害鳥獣としても沢山駆除されています。しかしイノシシは妊娠率も高く、多産であり、年間10万頭の捕獲をしてもなかなか減りません。となると防除と並行して、耕作放棄地などイノシシに居心地の良い環境をなくしていくことも極めて重要だと思われます。耕作放棄地での放牧は獣害対策としても脚光を浴びていますが、個体数が減りにくいという性質からすれば、イノシシ対策として特に重要な技術だと言えます。もちりん当社は、耕作放棄地の放牧にも積極的に取り組んでいます。(もともと牧場施設は当社のメインとも言える業務ですから、柵以外の施設もお手のものです!)(→耕作放棄地放牧
 
                            
                            

 上で見たようなイノシシの性質からは、「獲る」「防ぐ」どちらも重要な対策であることは明らかです。もっとも「獲る」方に関しましては、イノシシ肉の美味しさのおかげで(?)良い方法が沢山見られますので、当社がメインで取り組むのは「防ぐ」技術です。

物理柵か心理柵(電気柵)か
 イノシシ防除ではコストが掛らず、設置も容易な電気柵も有力な手段です。個人の田畑を守る場合には、一般に電気柵で十分でしょう。とはいえ前述の通り電気柵では漏電管理が必須ですので、それができない場合には物理柵を選んでください。
 なお、必要以上に能力の高い電牧器を使えば、それだけ漏電に対しても余裕ができますので管理頻度を減らすことはできます。が、まったく管理しなくて良いというわけにはいかないのは勿論です。

 地域を囲うような場合は管理が難しく、物理柵に分があります。当社では樹脂ネット(ステンレス入り)と金網を使っています。樹脂ネットは耐用年数では金網に大きく水をあけられますが、傾斜地などでの設置のしやすさでは断然こちらです。構造が不安定なので足の掛りが悪いためか、低い柵高で比較すれば金網よりも効果があるようで、外側に1mほど垂らすと更に効果的です。

 耐用年数も考えると、めっきの十分に施された金網柵に勝るものはないでしょう。そしてイノシシの身体能力から考えて1.2m以上の柵を設置したいところです。周りの地形によってはさらに20〜30cm嵩上げすれば安心でしょう。イノシシは穴を掘る能力にも長けていますし、持ち上げる力もスゴイですから、ネット高さ以上に気を配るべきなのは網と地面の関係です。成獣でも20cmの隙間があれば穴を掘らずに潜りぬけますので、まず、アンカーピンで地面と金網を固定するのは最低限必要な対策です。





では、金網を折り返す必要は?
 潜り抜け対策に、アンカーで固定するだけでなく金網を折り返す方法があります。折返しをした場合としない場合では、他の条件が同じならば折り返した方が侵入を許す可能性が低いのは間違いありません。しかし、例えば金網下部に高張力ワイヤーを1本強く緊張して縫うことで金網の持ち上げはかなり減少しますので、折り返すことのデメリットと防除機能を比較して決定するべきでしょう。
 折返しのデメリットは、次の2点です。

@草刈の邪魔になること
 草刈り機が金網に跳ね返るととても危険です。この点が折返すべきか否かを検討する最大のポイントでしょう。(除草剤という手もありますが、特に塩素系の除草剤は金網の劣化を速めますのでご注意ください)
A折り返し分の金網コストが余分にかかること
 金網を垂らす以上、その分確実にコストに跳ね返ります。

 他方ワイヤーの緊張による持ち上げ防止のデメリットはいうまでもなく、防除機能で劣ることです。特に地盤の緩い場所や斜面などでその違いは明らかになりますので、そのような場所では金網を追加して補強する必要があります。
 結論としては、以上を比較して決すればどちらでも良いのです。「折返し無し、ワイヤーで緊張」という方法は、金網の地際の条件が良い場所で、猪の侵入要求度が比較的低い場合(そこには入れなければ、他にも行きたい場所がある)などでは充分考慮するに値する選択肢です。

イノシシの攻撃に耐える金網を! 
 観察によれば、イノシシは金網を押すだけでなく、執拗に引っ張る行動が見られます。70kgの石を持ち上げるイノシシは鼻からしても、同等の力で金網を広げてしまうと考えるべきでしょう。本格的にイノシシに対峙しようと思えば、この力に耐えうる金網を使用すべきなのは自明です。縦方向にも横方向にも70kgの力を優に越えてもズレを起こさない、大型亀甲金網こそイノシシ対策に最適の金網であると私たちは確信しています。
 「有害鳥獣対策とは?」で述べたとおり、他の優先項目を重視して、強度をある程度犠牲にするのも実際的な選択肢としてあります。その場合にはソリッドロックフェンスやエックスフェンスがお薦めです。畑への侵入要求度が低い場合には、ズレ強度で劣るマルチフェンスでも防除は可能です。


事例については、右・詳細よりご覧ください 
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