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電気柵2種
意外に知られていませんが、電気さくにはその設置方法によって大きく2つのタイプがあります。それぞれに持ち味があります。よく特徴をつかんでお選びください。
Aタイプ:固定型 (ex.猪ポール+猪ポール碍子/KD支柱+KD碍子)
電牧線(主にポリワイヤー)を杭毎に、碍子に固定していくタイプ。北海道を除くと、主流はこのタイプです。
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ワイヤーの緊張は杭間ごとに碍子に固定することで行うので、角杭に過度な負担が掛ることもなく、直線上でもコーナーでも同じ種類の杭で済みます。⇒距離と段数から資材数を簡単に積算できます。万一1カ所ワイヤーが切断しても、漏電はその部分だけにとどまります。
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ワイヤーを杭毎に碍子に固定するため強い緊張はかけられず、杭間隔は狭くなり、施工・撤収時の作業量が多くなります。ワイヤーが短距離で固定されていますので、動物の接触があった時の「遊び」が少ないため、ハプニング的な侵入の時にBタイプよりも破損、倒壊の可能性は高くなります。
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Bタイプ:柔軟型 (ex.グラスポール+Gクリップ+絶縁ポール など)
電牧線を端末間で緊張し、途中の杭では高さを保つだけ、というタイプ。グラスポールにワイヤーを固定しないクリップを使用するのが一般的です。(右写真参照)北海道以外では少数派でも、距離が長ければ断然お薦めはこちらです。
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ワイヤーは碍子に巻きつける必要がなく、端末柱ごとにワイヤーを引っ張って緊張します。⇒ワイヤーにはテンションが掛っているので、杭間隔を長くすることができます。(鹿柵なら10m以上も可能) クリップの穴にワイヤーを通すわけではなく、あらかじめ杭の周りに準備したワイヤーを外側からクリップにはめ込むことができるので、施工・撤収は大変容易で、時間もかかりません。動物の衝突を端末間全体で受け止めますので、柔軟なグラスポールとも相まって容易に破損・倒壊しにくい構造といえます。
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ワイヤーを強めに緊張しますので、端末やコーナTには力が掛り、中間杭よりも多少径の太い杭を用意しなければなりません。ワイヤーが切断すれば、全体が弛んでしまいます(但し修復も容易)。キタハラの典型例では中間をφ10oやφ14oのグラスポール、コーナー・端末は杯38oの絶縁ポールを使用しています。
⇒資材数の正確な積算には、コーナーの数やコーナー間の距離が必要になります。 |
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★Bタイプのコンセプトをさらに推し進めたのが、高張力線を緊張して張る、恒久的な電気柵(以下Cタイプ)です。これは、コーナーや角杭には更に頑丈な木柱や鋼管杭を使用し、特に力が掛る杭には控え柱で更に補強し、高張力線を強く緊張して張るものです。Cタイプのメリット・デメリットはBタイプとほとんど同じですが、最大の「売り」は、ある程度物理柵的な機能を有する点でしょう。動物が電気柵に触れてビックリして突進するような場合に、巻に柵であるBタイプであれば、Aタイプに比して柵が壊されにくいというメリットがあるにすぎませんが、Cタイプでは突進を一旦しっかり受け止めますので、その間に更にパルス電流が流れて動物が退散させることができるのです。
このような機能をもつCタイプは、北海道では、広大な公共牧場の外柵にも広く使用されており、信頼性は十二分と言えます。Cタイプは獣害対策専用としてはかなり珍しい部類に入りますが、耕作放棄地放牧などではよく利用されています。
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Cタイプの電気柵では、ワイヤーを緊張して張るため、直線上の中間の杭はワイヤー間隔を保持するという機能に徹したものになります。したがって高張力線というゴツいワイヤーを使用するにもかかわらず、中間杭は貧弱とも思えるφ10mmのグラスポールでも十分に機能します。施工性が大変良いことからステップ付きの物を使用することが多いです。更に杭の打ち込みを全くしない、宙ぶらり状態の杭(バトン)を利用する場合もあります。後者ではコーナー杭はφ15cm以上の木柱を使用することになりますので、柵の移動を予定していない場合に利用されます。耕作放棄地放牧のページをご参照ください
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| Information :電気柵の安全性…淡路島の事故はなぜ起こったか? |
平成21年に淡路島で、電気柵に感電した男性が死亡する、という痛ましい事故がありました。これは一部で「電気柵による死亡事故」とショッキングな見出しで報道されましたのでご記憶の方も多いでしょう。しかし、この事故をよくよく検証してみると、電牧器を使わないで100V電源から直接ワイヤーに電気を流すというよっておこったものだとわかりました。上述したとおり、いわゆる「電気柵」には、安全性を加味した厳格な規定があります。それは、かなり専門的な範囲であり、特に必須の電牧器は一般に自作できるようなものではありません。つまり、淡路の事故は、単に素人判断で電気を流した柵によって起こった事故であり、電気柵の概念の普及の遅れがまねいた悲劇だったのです。
この悲劇の背景には1おそらく「1万ボルトの電気さくが安全なのだから100Vは危険でない」という誤解があったと思われます。先述した電気柵の厳しい基準では、バッテリーを電源とする電牧器か、本体またはアダプターにPSEマークのある電牧器を使用しなければならず、後者の場合には漏電遮断機の設置も義務付けられています。(この場合の「漏電」は一般的な用語の漏電であり、電気さくに草などが触れた場合の漏電とは異なります)
そして電牧器は微量な電流を高圧で、パルス電流として流すものですから、100V直結の電気柵とは全く異なるものです。これは、時速100キロのピンポン球が身体に当たったのと、時速20キロのトラックにはねられた違いに相当します。
法律の詳しい内容には触れませんが、以下の3点は必ず守ってください。
1.信頼できるメーカーの電牧器の使用
2.100V電源の場合は、漏電遮断機の使用
3.危険表示板の設置 |
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