未来のアグリ株式会社(旧北原電牧株式会社)    

――有害鳥獣対策とは?――
  基礎編――二つの手法 
    電気柵
    物理柵
  実践編――動物別戦略
    イノシシ
    シカ
    サル
    クマ
    その他(中型ほ乳類)
    AdvancedDefence
  囲い込み捕獲
  有効利用――おいしく食べる
  各種捕獲罠
  耕作放棄地放牧のススメ 
=現場の専門スタッフから=
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Net Fencing for Mannmals


Introduction:物理柵

◆物理柵とは
 電気柵を、その性質から心理柵と呼ぶのに対し、物理的に野生動物の侵入を防ぐ要素を「物理柵」と呼んでいます。もっとも金網に電気を流す場合もありますし、金網に電気柵をプラスすることもありますので単純に割り切れるものではあるません。
 ここでは、基本的な物理柵として用いられる金網フェンスを主要な構成要素とする柵について解説します。

 物理柵の主力である純粋な(電気柵を使わない)金網フェンスは、電気柵に比べ初期投資額は張りますが、一般に耐用年数が長く、メンテナンスがほとんど必要ないという利点があります。
 物理柵が単体で効果的に機能するのは、基本的には「登らない動物」、具体的にはシカやイノシシが中心になります。
 これに対し、サル・クマ・アライグマなど、よじ登りを得意とする動物には、電気ワイヤーを効果的な位置に張って侵入を防ぎます。例えば、サルであれば物理柵を登らせて柵の上部で電気ワイヤーに触れさせますが、重量のあるヒグマの場合などは、よじ登ることによって柵が破壊される可能性もあるため、登らせないことに焦点を持ってきます。このような場合、金網の機能は、侵入を防ぐという本来の目的より、@補助に張った電気ワイヤー掛ってに効果的に触れさせるA草による漏電の可能性を減少させる、というところに主眼が変わってきます。


◆ニーズに対応した設計
 防除対象となる動物によって防除柵のデザインが変わってくるのは当然ですが、必要最小限以上の防除機能を前提としてコストや施工性などのニーズへの対応も考えると、網の種類も増え、また、適宜網や電気柵を使い合わせた多種多様なフェンスができあがります。
 設計・施行を確実に行えば、それぞれ効果的な防除フェンスとなりますが、物理柵であっても(電気柵ほどではないにしろ)、張ったら張りっぱなしではなく、アフターメンテナンスを行いながら、不都合や改善点を常に見出す努力は必要になります。場合によってはバージョンアップを模索していかなければなりません。
 
 物理柵は広域を囲う場合に適しますから、公共事業の対象としては電気柵よりも適格があるといえます。
 会計検査に対象となるような場合には、金網の強度・杭の材質・間隔、あるいは根入れ長さなどは、防ぐ動物の種に加え、積雪の質・量、風力、動物の接触などを考慮して構造計算されなくてはなりません。計算の前提となる設計条件は、発注者の意向によって決定されますが、その場合、その地域の積雪・風速などは、建築基準が準用されることが多いようです。しかし、獣害対策としてのフェンスは、その破損が人命等に係ることはあまり考えられませんし、頑丈であればあるほど当然にコストもかかってきます。
 そこで、必ずしも建築基準等に寄らずよらず、独自の観点から条件設定をすべきだと考えます。例えば建築基準で積雪3mだったとしても、これをまともに計算の条件とすれば、相当に頑強な構造にするか、構造計算自体を思い切りラフなものにしなければOKはでません。
 実際「偽装」とも言えるような怪しげな計算によって積雪3mの設計をしている例も見受けられますが、会計検査対象である事業でこのような危ない橋を渡るより、裁量によってはじめから条件設定を緩和すべきです。建築基準は相当厳しい条件ですから、これより緩い基準で設計し、建築基準並みの過酷な条件が実現して柵が破損してしまったら、それはその時に補修する、という手法は現実的でもありますし、会計検査院に対しても十分な説得力を持つと考えます。


 以上に述べたようなことを念頭に、多種多様な資材をどのような観点で使い分けるべきか、以下、物理柵に使用される主要資材である網と杭について解説していきます。



金網(メタルネット)

大型亀甲金網
 「亀甲金網」というと鳥小屋等で使用される貧弱なもが一般的ですが、当社が獣害用に用意したのは、線型2.0〜2.6mm、網目も縦60〜80mmなどの大型亀甲金網です。イノシシはフェンスに噛みつき、執拗に引っ張るという行動が観察されており、本格的な対策をするためには、網目のズレという問題に対応しなければなりません。この点、亀甲金網は構造上、網目のズレという問題は発生しにくいうえ、60mmの場合には、イノシシが鼻を中に入れることも困難ですので、攻撃を加えることすら容易ではありません。


格子金網
 格子金網は、鹿柵として世界中で使用されているソリッドロック・](エックス)フェンスと、コストを優先したマルチフェンス(ヒンジロック)があり、網目の大きさが一定である必然性がありませんので、上部の網目を大きくとってコストを下げることが可能です。ソリッドロックやXフェンスはシカの攻撃には十分な強度を有し、北海道のエゾシカ対策では3000km以上もの実績があります。
 強度では一歩譲るものの、マルチフェンスでも動物の侵入要求度によってはイノシシを完全に防除することも可能ですし、シカとイノシシ両方が対象の場合には、イノシシが攻撃を加える低い位置には強度の強い亀甲金網を使用し、上部にはコストの安いマルチフェンスを使用することでコストパフォーマンスの高い柵を設計することができます。


樹脂ネット

防鹿ネット/サルネット
 コスト、施工の迅速、メインテナンスフリー等が評価され、今でも樹脂ネットでの鹿防除も根強い人気。また猿防除で電気さくに被せての使用が効果を上げています。


 
 
フェンス種類 標準サイズ(H) 主な用途 強度 施工性 巻き
エックスフェンス 1200o/2000o イノシシ/シカ △○ 50/100
ソリッドロックフェンス 2000o/2200o/2400o イノシシ/シカ △○ 100
マルチフェンス 1190o/2030o シカ/猪鹿上段 △○ 25
50/100
大型亀甲金網 870o/1230o/1530o
1890o/2070o/2310o
イノシシ/サル
猪鹿下段
25
防鹿ネット 2000o−100o目
(ステンレス3本/4本)
シカ 50
※このほかオーダー(特注サイズ)があります。お問い合わせください。




 杭(ポスト)は求められる条件から必要な強度、必要な長さを決定しますが、使用可能な杭の中で何を選択するかは、やはり杭の特徴と相談しながら決定します。また、長い一本ものを使用するか、多少割高でもセパレートタイプにするかは施工性を大きく左右します。

木柱か、鉄柱か。
 木柱使用のメリットは、コストの割に太い杭が得られるので、金網を強く緊張して設置でき、結果として杭間隔を広くとることができ杭数を大幅に削減できることです。反面よほどの短距離でないと、事実上重機を使用した施工が必須となります。また、クレオソートに代わる水溶性防腐剤の防腐能力を疑問視する声があることなどです。後者については、環境配慮型クレオソートに期待がかかります。鉄柱は人力での施工も可能で、一定以上のめっき量であれば耐久性も問題ありません。
 鉄柱のデメリットは杭径が細いため杭間隔を狭める必要があり、結果として杭数が増えること、木柱にくらべて現場での加工が困難といったところです。鉄柱の杭の形状は、安定計算(根入れ長さ)・部材強度等の観点から見ますと、丸鋼管が優れています。L字鋼、C型鋼などは丸鋼管に比べて劣りますので、同じ金網を張るにも、より太く、厚いものが必要になってきます。
 当社オリジナルのパスチャーポスト・フィールドポストは云わばC型鋼の断面強度を強化したもので、丸鋼管とC型鋼の中間的な強度です。
 パスチャーポストとフィールドポストは下図のようにきれいに重なりあいますので、次項で述べるセパレートタイプで設計する場合に最も適しています。(丸管+丸管は多少のガタつきが不可避)

パスチャー&フィールドポスト(断面図と写真)
 
60×37.3×2.3/1.6      47×33×2.3/1.6 
図のように2種類のポストを鞘管方式で接続して使用すれば、施工性・強度とも向上します。パスチャー十フィールドの組合せは、コストと強度のバランスに優れます。 同等厚のいわゆるC型鋼に比べて断面強度に優れ、土中の礫の状態によっては丸鋼管よりも施工性も優れます。


1本通しで行くか、セパレートか。
 例えば建設業者さんが施工するのであれば、多少の施工の困難性があっても、より頑丈な柵が求められるでしょう。しかし、農家さんが施工する場合にはなるべく施工性の良いものが好ましいのは当然です。そのような、若干コストアップですが、打込み杭と、地上部の杭をセパレートにすることをお薦めしています。杭は短い方が曲がりにくく、打込みも一人で容易にできます。


パスチャーポスト+L字鋼の施行例
★特に地盤の固いところでは、L字鋼や肉厚の丸鋼管を基礎杭に使用することもあります。基礎杭が細くなる分、杭の安定を多少犠牲にしますが、難所での施工性は大幅にアップします。

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